ニートの増加は社会にとって望ましいこと〜私がニートを選択した理由〜
今の私の立場は社会的に言えばニートです。
ウィキペディアによればニートとは15歳以上34歳以下の非労働力人口のうちで学校に行っている人と主婦を除いた求職活動をしていない人と定義されています。
バッチリ私は当てはまっております。
よく会社員の方からしたらニートであることは、胸を張って言えることはでないと言われます。
人によってはニートは国民の三大義務である勤労、納税、教育のうち
前の二つを果たしていないのだから監獄行きであるとまで言う人がいます。
そこまで言わなくても、選挙権や生存権ですら剥奪しろと言われたこともあります。
なぜそこまで言われなければならないのでしょうか。
批判されている方に共通するのが、税金を払っていないからと言われることです。
勘違いしてはならないのですが、ニートは雇用されていない人であって
生産活動をしていない人ではないということです。
生産活動をしている中で何かしらのサービスを提供していれば
ユーザーからお金を徴収する時に納税しなければなりません。
それに何か買って食べたり、
住む場所を確保するのにも消費税とか払っています。
なので、生きるためには勤労も納税もしなくてはならないので
これらの批判の対象にはなりません。
私はこれからニートが増えることは回避不可能だと思っていますし
それどころか、むしろニートが増えることは望ましいことだと思っています。
その理由について幾つか私なりの考えを述べたいと思います。
少し長いですがお付き合い頂ければと思います。
最近、貿易収支が過去最大の赤字になったというニュースをよく見かけます。
国内の人口が減少し、長引く不景気で企業は労働者への賃金に回さず、会社内で資金を貯める傾向にあります。留保金というやつです。
リーマンショックやギリシャショックなどの海外発のリスクが翌日には世界中に波及するような世界で
企業がお金を手元に置いときたい気持ちは理解できます。
その結果、景気が回復しても労働者への利益の分配は以前のような水準には戻りにくくなっています。
お金を払う人が少なくなって、一人当たりのお金の量が減ってくれば消費も増えません。
先日日本の大手薬品会社の海外生産率が50%を超えたということが話題になりましたが、
こうした流れの中で日本の製造業(に限らず非製造業も)が海外に進出するのは自然な流れで
また日本人の海外への出張者数よりも外人の日本への出稼ぎ労働者の方が増えているので
(現状唯一黒字を確保している)所得収支も減少し、
海外のサービス業者が日本国内に参入しているのでサービス収支も基本的には減少傾向にありますから
残念ながらこのままいくと経常収支はあと15年以内に赤字になります。
※経常収支=一国の全ての収入と支出の差し引きの金額。「貿易収支」「サービス収支」「所得収支」「経常移転収支」を足した値。
これは財布みたいなものです。(最後の経常移転収支は微々たる金額なのでここでは話してませんが。)
現状黒字を保っている経常収支が赤字になると、
対外的には経済活動が行えていないという評価になるので
海外からの投資は減少し、国への信用力が低下することにより円の価値は猛烈な勢いで下落します(ハイパーインフレ)。
国が発行する借金の借用書である国債価格は暴落し、
銀行は保有している資産のほとんどを失うことになります。
(銀行は安定運用が社内ルールで義務づけられているので)
国債への投資比率が7割を超えているメガバンクを中心に破綻します。
銀行から預金を引き出せなくなると同時に
保有している現金の価値は紙くず同然になるのでモノやサービスは買えません。
経済循環が機能不全となり日本は滅びます。
以上は極端な例ですが、
経常収支の赤字がある程度の確実性をもって見えてきた時か
GDPの伸び率がマイナスになるのが見えてきた時
(というか今それがある程度確度を持って見えつつあるんですが)
それに似たようなことは起こりえます。
そうなれば中小企業はもとより、
今安定していると思われている大企業で行われている年功序列型の給料体系、
終身雇用制度は跡形もなく消え去ります。
そうなった時にどういう人材が必要とされるか。
会社に守られて、流れ作業で一部のプロセスしがやってこなかった会社員か、
もしくは雇用はされてないけど、
自らの手で 企画、開発、保守運営、販促や営業活動等の一連の作業をこなせる個人事業をやってきた人か。
よく○×一筋何十年とか誇らしげに言う人いますけど恐らくそういう人は淘汰されて行くでしょう。
インターネットやテクノロジーの発達に伴い、
一つのことしかやってこなかった人は自動化の波で職からあぶれる可能性が高まります。
最近ではDeep Learningという人工知能の一種で人間の複雑な思考プロセスを真似できる技術が確立されつつあります。
昨日もGoogleがこの技術を開発しているDeepmindという会社を4億ドルで買収しました。
そういえばニュース記事を自動で要約する技術を開発したSummlyというアプリが数千万ドルでヤフーに買収されてちょうど一年になります。
世界中で人工知能や遺伝的アルゴリズムといった技術の買収合戦が活発化しているので、人間しかやれないことというのは少なくなっています。
テクノロジーを悪者にするか自分ができることを増やして行くかは自分次第です。
その決断の期限が15年以内に起こりえると思います。
(私は国家の陰謀論とか悪趣味なものは信じてませんし、好きではないのですが)
国の破綻に関する議論がアベ政権になってから公表されていないことに驚きます。
そうならないように努力するしかないでしょというのが公式見解なんでしょうけど、
明確な対応策が出せていないのが事実なんだと思います。
政府は2020年までに国の財政収支を黒字化するために消費税を3%上げましたが、
この黒字化達成が困難であると発表がありました。
今回の増税3%分は年金や医療などの社会保障に当てると言いましたが、
高齢化が進めば社会保障費は増える一方です。
これもまた残念な話ですが、消費税が5%から三倍の15%になっても受けられる社会保障費は現状の水準より悪化することが予想されています。
払う金額は増えるけど貰える額は少なくなるということです。
今40代後半くらいの会社員の管理職は”逃げ”切れることを知っています。
逃げ切れば国が赤字になろうが数年会社にしがみついて退職を迎えることができれば
年金を貰えるか分かりませんが、多少は生き延びることはできると思います
(それがクールな人生かダサい人生かは置いといても)。
しかし今の20代、30代は15年経ってもまだ働き盛りです。
温室育ちのサラリーマン生活から突然会社の外に放り出されても遅いです。
サラリーマンにありがちな、真面目に一生懸命働くのが一番とか、今の仕事が楽しいから続けたいと言っている時代ではなくなっています。
さらに残念なことに大企業ほど面白いサービスやプロダクトを生み出せないのも事実です。
不必要に高精細な液晶ディスプレイを開発したり、
特殊なエフェクトばかりを重視して開発されたゲームには見向きもされていません。
規模のメリットが機能していた化石産業はもはや斜陽産業に成り下がっています。
会議室で同じような格好のスーツ着て仕事している人たちは、
高度に複雑化して変化の早い時代にとっくについていけなくなっているからです。
だからこそ会社に属さなくても自由な発想で面白いプロダクト作っていける人が今後必要とされてるんだと思います。
それでもいろいろ理由をつけて会社を離れるのが怖いという人もいます。
もちろん人それぞれでリスク許容度が異なって当然だと思いますが、
彼らはそれ以上にいろいろな計算とか想像力が欠如しているんだと思います。
会社員生活や老後の生活に直結する今後の労働形態の在り方や社会構造の変化、
あとは死ぬまでに自分がどんな成果を残して生きた証を残せるかと言ったことについての。
それでもいろいろ理由を付けて会社に属していないと不安だと言う人もいます。
そういう人には、
ごちゃごちゃ言わずにやってみろ
と言いたいです。